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南極の風に吹かれて

南極講演のお知らせ(6月28日)

茶屋町公民館に引き続き、倉敷科学センターでも南極のおはなしをさせてもらいます
昨年は、南極の自然を中心にお話しましたが、今回は昭和基地のくらしにスポットを当ててみます
今年も、国立極地研究所のご協力で南極の氷山の氷や実際に使用した防寒着などご用意します
なお、こちらは定員が少なく、予約が必要となっています
よろしくお願いいたします

おはなし科学セミナー(ミニ講演会)
「南極昭和基地の暮らしってどんなの?」
6月28日場所:倉敷科学センター(ライフパーク倉敷内)
時間: 10:00~12:00
予約必要
※現在キャンセル待ちだそうです



# by antarctic_mouse | 2015-06-20 20:53

南極講演のおしらせ(6月21日)

倉敷市茶屋町で南極のおはなしをします
生まれ育った町に感謝の気持を込めて…
お子さんから年配の方まで楽しんでもらえるようなお話をします
国立極地研究所のご協力により、ほんものの南極の氷山の氷を用意しました
よろしくお願いします


6月21日(日)
時間:13:30〜15:00
予約不要、無料
※満員になりそうだということです
駐車場が狭いので、乗り合わせるなどご協力をお願いします

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# by antarctic_mouse | 2015-06-20 20:48

南極大陸を行く

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2008.10.5 南極大陸「とっつき岬」〜S16拠点 ルート上にて撮影

越冬隊が活動する「昭和基地」は、南極大陸の上にない
南極大陸から4kmほど離れたところにある「東オングル島」という島の上に基地はある
東オングル島と南極大陸の間の海は、夏以外は凍結していて雪上車でも走ることが出来る
とはいっても、途中にはクラックがあったり危険も伴うので、好き勝手に行ったり来たりすることは出来ない
南極大陸は、近くて遠い存在だ
第49次の越冬活動では、「みずほ基地」までの内陸旅行があった
総勢8名(研究者、機械隊員、通信隊員、調理隊員などで構成)で3週間かけて宙空圏、気水圏、地圏関連の研究観測をしながら往復するものだ
わたしはそのメンバーには入ってなかったが、雪上車の立ち上げなどの出発準備のために、とっつき岬から約20km内陸にあるS16ポイントまで同行した
つまり、わたしの内陸旅行は、とっつき岬からS16までの往復約40km
2泊3日の旅行だった
海から南極大陸に上陸するポイントは限られていて、もっともよく使うのが「とっつき岬」というポイント
ここには、常時大陸旅行用の大型雪上車SM100が停泊していて、その時を待っている
南極の冬を乗り越え、雪に埋まり冷えきった雪上車を、掘り出し、ゆっくりと暖め、内陸へと向かった

あこがれの南極大陸は、ただただ、雪と氷の世界だった
とっつき岬からは、はじめ斜度のある登り坂で、振り返ると凍りついたオングル海峡に黒々とした岩島や青い氷山がちりばめられ、いつも見ている海とは思えない感動があった
内陸に進むと、斜度も落ちて前も後ろも右も左も真っ白な平原となる
あらためて、「南極に来たんだ〜!」という実感に心が震えた
 
ちなみに、南極大陸の上に分厚く(最大約4000m)乗っかっている氷は、もともと降り積もった雪が圧縮されて出来たものだ
この雪上車の下にも、おそらく何百メートルという氷が岩盤とのあいだに乗っかっていることだろう
そして、氷はゆっくりゆっくりと海岸に向かって流れ下っているのである





# by antarctic_mouse | 2014-11-01 23:01

雪のれん

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2008.9.23 昭和基地にて撮影

風もなく、サラサラと降る雪
こういう降り方は、昭和基地では少ない
降るとなると、台風なみの強い風を伴って、上から下から雪が踊り狂うような「ブリザード」となることが多いのだ

基地の建物の照明でライトアップされた雪を、スローシャッターで撮影してみた
平べったい雪の結晶が、
目で見てそれとわかるくらいはっきりと雪印マークの形をした1cmほどもある結晶が、
くるくると回転しながら落ちてきて、
キラキラと点滅するように光を反射する
それが、まるで珠のれんのようなラインをフィルムの上に描いた

※照明のオレンジ色の光を色調変更して青色にしてあります

 

# by antarctic_mouse | 2014-11-01 22:52

測風塔とグラデーションの空

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2008.4.30 昭和基地にて撮影

わたしの南極での仕事は、”気象観測”である
日本の気象台と同じように、気温や気圧、風向風速などを、世界中と同じ方法で毎日途切れることなく観測する
風は、地上から10mの高さのところで観測するのが基本で、これは世界中どこでも同じである
といっても、日本の街中では障害物が多くて、もっと高いところの風を測っているところが多いのだけれど・・・
南極昭和基地には高層建築がないので、写真のような「測風塔」を建てて、地上から10mの高さで風を計測する
昭和基地のある南極沿岸は、月に何回か「ブリザード」と呼ぶ雪嵐がやって来て、台風なみの風を吹かす
また、風のない晴れた日には、気温がマイナス40℃くらいまで下がることもある
そんな中で日本と同じ観測を続けるというのは、それなりの苦労や工夫がある
それでも、基本は定期点検を怠らないことや、ちょっとでも気になることがあったらチェックするといった地道な作業だ
風で機械や設備が壊れていないか?
雪や霜が付着していないか?
データは正しいか?
風の弱い寒い日には、プロペラなどの可動部分が凍り付いて動かなくなっていることも多い
本当に風がないのか?外に出て確認し、凍っていると判断したら、棟に登って解凍する
地上10メートルからの基地の眺めはなかなかだ
と、そんな楽しみもそこそこに、すこしでも欠測をなくすことが気象隊員の使命だ
第一次観測隊から50数年、途切れることなく続けてきた先輩方に敬意を払いつつ、受け取ったバトンを握りしめて走る

写真は、「気象棟」の屋上から測風塔を入れて、
オングル海峡の氷海のシルエットと、オレンジ〜紫のグラデーションの空を撮影
昭和基地の、美しすぎる日常風景
  
 

# by antarctic_mouse | 2014-11-01 22:42