南極の風に吹かれて

測風塔とグラデーションの空

08043014syowa
2008.4.30 昭和基地にて撮影

わたしの南極での仕事は、”気象観測”である
日本の気象台と同じように、気温や気圧、風向風速などを、世界中と同じ方法で毎日途切れることなく観測する
風は、地上から10mの高さのところで観測するのが基本で、これは世界中どこでも同じである
といっても、日本の街中では障害物が多くて、もっと高いところの風を測っているところが多いのだけれど・・・
南極昭和基地には高層建築がないので、写真のような「測風塔」を建てて、地上から10mの高さで風を計測する
昭和基地のある南極沿岸は、月に何回か「ブリザード」と呼ぶ雪嵐がやって来て、台風なみの風を吹かす
また、風のない晴れた日には、気温がマイナス40℃くらいまで下がることもある
そんな中で日本と同じ観測を続けるというのは、それなりの苦労や工夫がある
それでも、基本は定期点検を怠らないことや、ちょっとでも気になることがあったらチェックするといった地道な作業だ
風で機械や設備が壊れていないか?
雪や霜が付着していないか?
データは正しいか?
風の弱い寒い日には、プロペラなどの可動部分が凍り付いて動かなくなっていることも多い
本当に風がないのか?外に出て確認し、凍っていると判断したら、棟に登って解凍する
地上10メートルからの基地の眺めはなかなかだ
と、そんな楽しみもそこそこに、すこしでも欠測をなくすことが気象隊員の使命だ
第一次観測隊から50数年、途切れることなく続けてきた先輩方に敬意を払いつつ、受け取ったバトンを握りしめて走る

写真は、「気象棟」の屋上から測風塔を入れて、
オングル海峡の氷海のシルエットと、オレンジ〜紫のグラデーションの空を撮影
昭和基地の、美しすぎる日常風景
  
 

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by antarctic_mouse | 2014-11-01 22:42