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南極の風に吹かれて

月夜に踊る

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2008.8.19 昭和基地にて撮影

夜空にたなびいているのは、オーロラ
この日のオーロラは、静かに現れとおもうと
だんだんと、うねるように、踊るように
月齢17.71の明るい月が照らす夜空に広がって消えていった

写真で地面がカーブしているのは、対角魚眼レンズの効果
このレンズは、180°の視野が写真の対角線に写り込む
空に大きく広がったオーロラを写真いっぱいに入れたいための選択
それでもオーロラが入り切らないこともある
動きが速すぎてカメラを取り出す間もないこともあった
そんな時は、雪面に大の字に寝転がって空を眺めたり
ただただ、目を丸くして走り抜けるオーロラを眺めたりした
そんなオーロラが、実はもっとも印象に残っていたりするのだ
 

# by antarctic_mouse | 2014-11-01 22:03

ひょっこりアデリーペンギン

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南極といえば、ペンギン
だけど、ペンギンがどういうところでどんな風に生きているのか、きっと知らない人が多いんじゃないかと思う
ほんとうのところ、ずっと付いて回った人はいなくて、誰も正確には知らない
でも、南極の夏には、こんな氷海で砕氷船の船上からペンギンに出会える
ペンギンは、好奇心いっぱいなのだそうだ
だから、真っ白な氷海にオレンジ色の船が停まっていると、わざわざ近くまで見物(?)にくるのだ
真っ白い、海と氷と雪以外何もないようなこの風景の中に、ほんとうにペンギンは生きていて、
そうして、わたしたちの目の前に姿を見せてくれる
2本足で歩いたり、おなかで滑ったり、氷の隙間に飛び込んで泳いだりしながら
ほんとうに、間違いなく、いるのだ
いまも



# by antarctic_mouse | 2014-10-31 02:13

星々と極光の川

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透明度の高い空
公害も光害もない南極の夜空は、ほんとうに美しい
緑の淡いオーロラと天の川が、まるで競演するように流れ
中央近くに南十字星が高く上り、ここが南半球の高緯度地帯であると証明してくれる
南極、昭和基地の夜空
 

# by antarctic_mouse | 2014-10-31 02:11

色を奏でる

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南極の空は、色とりどりの表情を見せてくれる
ときには、雲や光線の加減で、それらの色がまるで織物のような綾を織りなす
このときの空は、
やさしい紫やピンクやオレンジに染め上げられた糸が、
まるで人の意図などないように、それでいて美しいハーモニーを奏でる
憧れの志村ふくみさんの紬のようだと思った
それで、恐縮ながら、「色を奏でる」というタイトルを、ふくみさんの著書からいただきました

※ブログの画像はちょっと暗いのですが、倉敷のフォトショップナカイさんにプリントしていただいたカレンダーでは、美しい色のハーモニーが再現されています


 




# by antarctic_mouse | 2014-10-31 02:08

氷海と氷山群

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8月、南極の冬
まだ日が短いとはいえ、太陽が戻り、
本格的な野外活動のためのルート工作が始まった
目的地は、昭和基地からスカルブスネスまでの約65km
数メートルもの厚さがあると思われる海氷の上を、雪上車で安全を確認しながら走行し、
安全で効率の良いルートを探して、目印の赤い旗を立てていく
危険なのは、クラックという氷の割れ目
しっかり凍っているように見えても、潮汐の影響などで氷に割れ目ができる
そんなのに落っこちたら命の保証はない
厄介なのは、氷山群
高さ数十メートル、長さは大きいものは数キロもあろうかという氷山が行く手を阻む
夏の間に海氷が解けて氷山が漂流し、前年と同じルートが引けるとは限らない
右からかわすか、左からかわすか
正解は行ってみないとわからない
そんなこんなで、一日に延ばせるルートは限りがある
南極大陸沿岸に設置した観測小屋を拠点に、宿泊しながらの作業が続く
できるだけルートを延ばしたい
作業は、薄明の時間も無駄にしない
気温はマイナス20度から30度
きらきらと美しい海氷の上を走行し、
昭和基地では見られない美しい風景が次々と現れ、
蜃気楼が伸び縮みし
夜空に星がきらめいた
忘れられない4泊5日の旅
 
 







# by antarctic_mouse | 2014-10-31 02:06