南極というと、白い氷や雪、青い空をイメージされる人が多いと思う
わたしも、そんなイメージを持っていた
しかし、実際の南極は、実にカラフルなところだった
様々な”青”や激しいほどの赤、ピンク、紫、黄色、オレンジ、緑、、
これらの色は、清浄な大気や低い太陽高度、遠くのブリザードやオーロラ、成層圏の大気現象などによって生まれる
それらの色を雪や氷が反射し、散乱し、一面に染め上げ、美しい世界を作り上げる
#
by antarctic_mouse
| 2014-10-31 02:04
その厚さは、平均約2400m、最大約4000m
それを大陸氷床と言う
氷は、大陸の上に降り積もった雪が圧縮されたものだ
降り積もった雪はとけることなく、氷床の底には100万年も前に降った雪が氷となって閉じ込められている
鏡餅のような形をした南極大陸に乗っかった氷は、重力で大陸の縁に向かってゆっくりと流れている
とくに流れの速いところは、河に見立てて「氷河」と呼ぶ
白瀬氷河は、そのなかでも速い氷河のひとつとされ、しかし速いと言っても、1年間に2.5kmほどというスピードでリュツォホルム湾に流れ下る(氷床の流速は年に数m~数10m程度)
その白瀬氷河の河口付近をヘリコプターに乗って上空から眺めた
あいにくと低い雲が空をおおい、空も氷床も氷河も白色にとけ込んではっきりとしなかった
氷河では、氷が重力に引っ張られて無数の割れ目が出来る
その割れ目が青く網の目のように広がり、ここが氷河であることを教えてくれた
水たまりのように見えるのは、おそらく夏の(沈まない太陽の)日差しで氷の表面が溶けたものだろう
ここに見える氷は、何万年前の雪だろうか?
どれくらいの距離を流れ下ってきたのだろうか?
時間的にも空間的にも、そのスケールの大きさに気が遠くなりそうだ
#
by antarctic_mouse
| 2014-10-31 02:00
2008.4.10 昭和基地にて
南極では、もこもこと背の高い雲は現れないといわれている
もこもこ雲の最たるものが入道雲な訳だけど、それは、地表付近が暖かく、上空に冷たい空気があって気温の差が大きいときに発達する
南極では、上空は恐ろしく冷たいものの、地表付近も寒いために、鉛直方向へは発達することがないのだ
(遠くの海上にそれらしきものを見ることはある)
昭和基地で見る雲は、だから写真のように横に長い
太陽の赤い光が、雲の間を通り抜け、雲の底で反射し、
気温の差(=空気の密度の差)で屈折し(蜃気楼)
なにやら不思議な金色の帯となった
#
by antarctic_mouse
| 2014-10-28 07:01
2007.12.15 南極海にて「しらせ」船上より
一面、海氷が広がるひろいひろい海に、アデリーペンギンが一羽ぽつんとたたずむ
寂しくないのだろうか?
怖くないのだろうか?
ただただ、野生というものの強さに心打たれた
#
by antarctic_mouse
| 2014-10-27 15:05
2008.2.25 昭和基地より南極大陸
2月下旬
南半球では、夏から秋になろうという季節だ
海峡はまだ凍りつくことなく、氷の隙間から海水が見えている
遅い日没前の太陽が、南西から大陸の縁を低い角度で照らす
大陸氷床が切り落とされた断面が夕映えで鮮やかに浮かび上がる
南極の、清浄な大気の残照は、ひたすら藍い
#
by antarctic_mouse
| 2014-10-27 14:11