南極の風に吹かれて

南極大陸に光る風

2008091923syowa

南極大陸の上は、風が吹いていることが多い
冷たくて重い空気が、大陸の斜面を滑り落ちるからだ
それを「カタバ風」という
風が雪を巻き上げ、それが光を反射して、風の姿が目に見える
昭和基地から南極大陸を眺めていると、スポットライトのような光が射し、カタバ風が浮かび上がった
大陸から海へ風が達したとき、急に失速した空気がエネルギーの行き場を失って上空に跳ね上がることがある
「ハイドローリック・ジャンプ」
小規模ながら、そんな現象も発生しているようだ
 
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# by antarctic_mouse | 2008-09-19 20:16

サソリを捕らえた月がさ


2008090810syowa

撮影:2008/9/8 昭和基地


月のまわりに丸い輪っかが光って、ちょっと虹色にも見える
これは「月暈(つきがさ)」
刷毛でさっと描いたような淡い巻雲は、小さな小さな氷の結晶でできている
月の光が氷晶で屈折して曲げられて、月を中心とした半径(視半径)約22度の円として見える
月の左側
蠍座が胸まで月暈の輪っかの中に捕らえられた
サソリの姿が、日本で見るのと上下が逆さまなのは、ここが南半球だからだ

※写真をクックすると大きく表示されてサソリが見えやすくなります
 
  
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# by antarctic_mouse | 2008-09-08 19:40

極成層圏雲


2008081959syowa

撮影:2008/8/19 昭和基地


極夜の昼下がり
太陽は地平線の下にあって、夕焼け空のような昭和基地
上空に一筋の光る雲がある

「極成層圏雲(PSC)」

この雲は、ふつうの雲よりもっと高いところ、15〜30kmの上空に現れる
(ふつうの雲は、10kmくらいまで)
極夜でもこの高さまでは太陽の光が届いていて、その光を反射して光っている

もうひとつ、ふつうと違うのは、この雲は水のほかに硫酸塩や塩化水素を含む氷でできていること
この雲のできる高度はオゾン層のあたり
上空は紫外線が強く、フロンなどに含まれていた塩素がほかの物質と反応して、雲の成分となる物質が生まれる
南極上空の冬の気温は-80〜-90度にもなる
そんな低温で固体となった硝酸塩や塩化水素が雲を作るのだ

春、上空の気温が上がると、雲の氷が溶け、塩素が発生する
その塩素がオゾンを破壊して、南極上空にぽっかりと「オゾンホール」を作り出す
つまり、この雲はオゾンホールの元凶といえるのだ
 
オゾンホールは、年々大きくなっていたのが、最近はその拡大が収まったようにも見える
それは、フロンガスを使うことを世界中が止めたのが功を奏したと考えていい
フロンガスはクーラーや冷蔵庫、半導体工場などで使われていた
それを、完全に止めてしまったのだ
オゾンホールがなくなってしまうには、まだまだ時間がかかるけど
人類だってやれば出来るじゃないか
  

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# by antarctic_mouse | 2008-08-19 19:56

冬の昭和基地


2008081817syowa

撮影:2008/8/18 昭和基地


前日からのブリザードが収まった朝
天気は急速に回復し、美しい色彩で昭和基地を彩った
観測機器の点検は朝の日課だ
まだ誰も歩いていない雪面に足跡をつけて観測小屋に向かう
一年で一番気温の低い8月
しかし、ブリザードは比較的あたたかい北風を吹かせ、-10.3℃まで気温は上昇した
ブリザードは強い風と大量の雪を伴う
建物の風下となる南側(写真左)には、大きな吹きだまりができている
逆に、強い風が吹き付ける場所には冬でも雪が積もらない
観測小屋の入り口は吹きだまりとなり、ブリザードのあとは除雪をしなければ中に入れないこともある
機器に詰まった雪を取り除いたり、機器やデータを確認したりと、ブリザードのあとは忙しい
美しい風景に時を忘れそうになりながら、貴重な観測記録を途切れさせることがないよう注意を払う
 

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# by antarctic_mouse | 2008-08-18 20:56

蜃気楼に浮かぶテーブル型氷山


2008080701syowa

撮影:2008/8/7 ラングホブデ付近


紫色の朝の風景の中に、白くテーブル型氷山が光る
よく見ると、氷山の裾は浮き上がって宙に浮いているように見える
これは、蜃気楼
晴れて穏やかな天気の日、放射冷却で地面(海氷面)付近の気温がぐっと下がる
そのすこし上空の比較的あたたかい空気との境目で光が曲げられる
そうして、実際とは違うところに氷山の姿が見えるのだ
寒い日の、幻想的な光のマジック
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# by antarctic_mouse | 2008-08-07 20:56